LEDの古くて新しい歴史
2022.06.19
今では「電気と言えばLEDでしょ」と言われるくらいに当たり前になったLED照明。
実際にブログ内でもLEDの話題はたくさん出てますし、やはりLED照明を使うのが一番の節約&明るさにもなるため皆さんの間でも有名でしょう。
しかし、LEDがどのようにして開発されたのか、どのような歴史があるのか知らない人の方が多いと思います。
今回はLEDの歴史について書いていきましょう。
LEDって何?
LEDの歴史をたどる前に、LEDとは何かを説明しないといけませんよね。
LEDというのは光を放つダイオードである「Light Emitting Diode」の頭文字から取っており、電気を流すと光る性質を持つ半導体です。
半導体は、アルミニウムや銅のように電気を流す「導体」と、ゴムのように全く電気を通さない「絶縁体」があり、その中間の性質を持っている物質です。
普段から、私達が使っているスマートフォンやパソコンなども半導体が使用されているため決して珍しいものではありません。
LEDは半導体の仲間で、電気を通すことで光る性質を持っています。
発光ダイオードであるLEDは、ガリウム、窒素、 インジウム、アルミニウム、リン、ヒ素などを合成して作られます。
これらの元素により構成された化合物がLEDというわけです。
この半導体を構成する材料によって、放出する光の波長(発光色)が決まります。
意外と古くからあるLED
LEDは最近できたような感覚になっている人も多いと思いますが、1960年代にはすでに暗めの赤色と黄緑色が開発されているのを知っていますか?
そもそも、電気というか「灯り」の歴史を辿ると、昔の灯りと言えばろうそくでしたが、
各国にガス灯が登場しはじめたのが1810年代。
日本では1872年に横浜の馬車道に日本最初のガス灯が設置されます。
この1810年が約60年のサイクルで照明にとっての発明が起こることになるのです。
1879年に、赤みがかった温かみのある光色の白熱灯が生み出され、1938年には第3世代の灯りとして現代でも広く使われている蛍光灯が誕生します。
この後に第4世代の灯りとしてLED照明が世に送り出されます。
色とりどりのLED
LEDの歴史を辿ると、1960年代に赤色と黄緑色LEDが最初の色として開発され、表示用光源などとして利用されていました。
70年代にようやく黄色LEDも誕生し、1993年に日本メーカーと日本人研究者によって生み出されたのが青色LEDです。
今までの明るさとはレベルが違う青色LEDが誕生したことによって、世界のLEDを取り巻く環境は大きく変化しました。
その後、2年間という歳月を経て緑色のLEDも開発。
緑色LEDが開発され、ようやく光の三原色である赤・青・緑の光源がそろい実用化が進みました。
時は流れて1996年に青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせでできる白色LEDの開発にも成功し、様々な改良を加え「省電力」「長寿命」「高輝度」「低温度」の特徴を持った灯りとして色々なところにLED照明が色々な場所で普及することになりました。
LEDを使うメリット
LEDは今までの白熱灯よりもたくさんのメリットがあります。
ここではメリットを書いていきましょう。
長持ち
白熱電球の寿命は大体約1,000〜2,000時間で蛍光灯が約6,000〜10,000時間と言われていますが、LED照明は約40,000時間とかなり寿命が長いです。
LED自体の寿命は発光部である蛍光体や樹脂が劣化し、明るさが少しずつ落ちていきます
あくまでLEDの寿命は明るさが70%まで落ちるときの時間で決められていますので、実際にいきなり切れることはまずないでしょう。
他の光源と比べても圧倒的な寿命の長さなので、やはりLED照明は長寿命と言えるでしょう。
発光効率がとても良い
発光効率というのは、ある光源が一定のエネルギーによってどれだけ明るく発光するかを表すことを指し、ランプ効率とも呼ばれています。
数字で説明すると、白熱電球の発光効率はおよそ10〜20lm/Wで蛍光灯が60〜110lm/W程度と言われています。
LEDだと少し前までは100lm/Wくらいで蛍光灯と同程度でしたが、徐々に進化していき最近では150lm/Wを超える超高効率のものも増えてきています。
衝撃や振動に強い
白熱電球や蛍光灯などの光源は、基本的に発光原理による必要性のためガラス管が用いられています。
しかし、LEDはガラス管を必要とせずにプラスチックなどの割れにくい材料を使用できるため、 衝撃や振動に強い製品が作ることが可能です。
なので、ちょっとやそっとじゃ割れにくいですね。
LEDのデメリット
メリットがある反面、デメリットも多少なりともありますので、ここではデメリットを書いていきたいと思います。
価格が高い
LEDは白熱電球に比べて価格が高いため、どうしても初期のコストがかかってしまいます。
しかし、基本的に電気代が安くなるので長期的に見たら特に不都合はないのかもしれません。
明るさを高くするには工夫が必要
LED素子は、極めて小さな半導体であるため、1つ1つのLEDチップが出せる明るさにはどうしても限度があります。
照明として使用可能な大光量を得るためには、多数のLEDチップを集積することによって大きな電流を流す必要がありますが、大きな電流を流すと発熱量も上がってしまいます。
そのため、LEDチップや回路などを守るための放熱設計を施さなければいけません。
熱に弱い
皆さんが知っているLED照明は熱くなりにくいというイメージがありませんか?
しかし、光として変換されなかった電気エネルギーは直接熱となるため、自信の発する熱により故障や劣化の原因となってしまいます。
たくさんのチップを使用して、大きい出力で点灯する照明用途では熱対策が製品の品質や寿命に関係してくるため、各メーカーでは放熱するための技術に大きな力を注いで取り組んでいるのです。
簡単に言うと、LED照明が熱くなりにくいのはLEDが熱くならないための設計をしているからと言えます。
まとめ
LEDの歴史というのは、思っている以上に昔からあります。
実際に現代のようなLED照明まで達するのに色々な苦労や挫折等あったかと思いますが、今の快適な照明ライフを送れているのも開発者たちの努力の結果だと思います。
ボタンを押したらすぐ明るくなる今の環境を大事にして、電気代の節約に取り組みましょう。