ギリシャ神話と雷の関係
2023.05.07
いきなりですが、皆さんのイメージするギリシャ神話とはどのようなものでしょうか?
神話と言ってもかなりの物語があるので一概にはわからないかもしれませんが、私個人的にはイカロスの翼というギリシャ神話が一番好きですね。
そんな私の好みは一度置いといてもらって、実はギリシャ神話は少しだけ雷と関係があるのをご存知でしょうか?
今回のブログでは、ギリシャ神話と雷について書いていこうと思います。
ギリシャ神話とは
そもそも神話というのは、古代から続いている諸民族に伝わった伝説や神聖な物語を 中核として、様々な伝承や挿話の要素が組み込まれ積み重なった英雄や神々の話です。
中には世界の始まりなどを語った物語もあり、人類・文化などの起源を語る創世神話もあります。
ギリシャ神話として知られる神々と英雄たちの物語は、大体紀元前15世紀の頃から始まり、口承形式で伝えられてきました。
当時の古代ギリシャ人の世界には、神話として基本的骨格を備えた物語の原型が存在していましたが、人間達はこの地上世界の至る処に神や精霊が存在していて、オリュンポスの山々や天の彼方に偉大な神格が存在することを信じて疑いませんでした。
ですが、それらの神様達や精霊がどのような名前を持っていて、どんな存在なのかは知らなかったため、困惑していたところに吟遊詩人が詩につらなって姿の見えない神々に関する知識を人間に解き明かしました。
このように、人々が神の話を創造し、積み重なって作られたのが現在まで続くギリシャ神話になります。
雷の神様ゼウス
雷の神様、その名もゼウス神の存在を知っていますか?
ゼウスは雷を操って戦うオリンポスの神の最高神であり、 正義感がとても強く、多数のギリシャ神の中でも圧倒的な実力を備えています。
そんなゼウスは神の中でも人間味が強く、また浮気性だったと言われます。
関係を持った女神は奥さんも合わせて9人、人間の女性も15人ほどいたそうです。
子供に関しては、38人以上いるのでかなりの大家族ですよね。
雷の神様はギリシャ神話だけじゃない
神話の中で雷といえばゼウスというイメージがありますが、雷の神様はゼウスだけではありません。
ここでは、各国の雷の神様を紹介していきましょう。
日本の雷の神様「雷神」
日本では雷神と呼ばれる神様が有名です。
雷神と聞いて皆さんがイメージするのは鬼の姿の神様ではないでしょうか?
よく太鼓を背負って、その太鼓を鳴らすと雷を起こすことができるのが一般的ですが、実際に雷神と呼ばれる人物が歴史上にいました。
その人物は、学問の神様として知られる「菅原道真(すがわらのみちざね)」と呼び、死んでから「雷神」になったとも言われています。
その他にも日本神話では「スサノオノミコト」や「火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)」など、日本には様々な「雷神」がいます。
インドやネパールの雷の神様「インドラ」
日本やギリシャ以外にもインドやネパールに雷の神様がいます。
それは「ヒンドゥー教」。
ヒンドゥー教には、「インドラ」という雷の神様が登場するのですが、仏教では「帝釈天(たいしゃくてん)」や「天帝(てんてい)」と呼ばれ、日本でもよく名前を聞く神様です。
北欧の神様「トール」
トールは北欧神話の雷神で主神オーディンと大地の女神ヨルズの息子です。
北欧神話の中で最強の神と言われ、怪力無双かつ短気というわかりやすい性格。
手に持っているハンマーで雷を自在に操ると言われ、北欧神話に出てくる神様達の宿敵である巨人を打ち倒しています。
世界の終末「ラグナロク」で死亡していますが、それこそ世界蛇ヨルムンガルドと相打ちで終わっている様が書かれています。
フィンランドの神様「ウッコ」
ウッコは天空神であり、全ての天の事象と大地の実りを司る絶対神と言われています。
「ウコンバサラ」と呼ばれる稲光を発するハンマーを持っていて、二輪戦車で空を駆ければ雷雨を引き寄せることができ、そのためかフィンランド語では雷雨のことを「ukkonen」と表記します。
中国の神様「電母」
電母は閃電娘娘とも呼ばれ、若い女性の姿で描かれます。
閃電娘娘はたまに日本でも中華街とかで見る文字ですよね。
手に持つ2枚の鏡から発生させる光を交差させ、雷光を生み出し、片方が白い光で罪人の居場所を照らします。
もう片方は赤い光で人間に化けた獣の正体を暴くと言われているため、雷で敵を倒すというよりも獣を探る役目であることが多いですね。
アステカの神様「トラロック」
アステカという文明を皆さんご存知でしょうか?
アステカはメキシコ中央部で1428年〜1512年頃に栄えた文明国家であり、トラロックはアステカで信奉された神として有名です。
存在自体はアステカ文明ができる前よりも遥かに古く、雨や雷、雪などの天候を操る神と言われています。
エジプトの神様「セト」
セトは荒ぶる砂漠の神であり、暴風と雷鳴を象徴とします。
エジプト神話において、太陽は毎日夕方に死んで翌日夜明けとともに地平から再び生まれ出るという存在だった。
その太陽の乗る船を守護する神の一柱がセトであり、地平線の下にある死の世界は危険なところと考えられるようになりました。
その太陽の船は数々の危険を乗り越えなければ東の地平にたどり着くことが不可能で、太陽を飲みこもうとする巨大な蛇であるアポピスの「天敵」がセトとされたため、太陽を守る強い神と言われています。
某有名なカードゲームの漫画でも出てきますので、わかる人には聞き覚えがある名前だと思います。
雷は神様?
今の私たちにとって雷は自然現象であったり、原理などが解明されているので意識などあまりしませんが、昔の人間は雷は神様が怒っているからなどと神様と結びつけて考えることのほうが多かったそうです。
日本神話においても雷鳴を「神鳴り」ということからもわかるように「雷(かみなり)」を神々のなせるわざと見なしていた。
さらには方言で雷を「かんだち」という地方もありますが、これは「神立ち」と言い、神が示現する意であることがわかります。
それに伴って、昔の人は雷は神様という印象を持ち、神話として現代の私たちにも伝承されているのです。
まとめ
このように、雷というのは昔の人間にとって神様と深い関係があり、人間の力ではどうしようもできない神聖なものと捉えていました。
雷=電気ということから電気も神聖なものと考える民族も未だに世界のどこかにいるかもしれませんね。
そんな神聖なる電気と普段から使っているスマートフォンなどの電波にまつわる神もいるのはご存知でしょうか?
名前は「電電明神」と言い、日本の京都に神社があるので興味がある方は一度行ってみてください。