電気の使えない国【未電化】
2021.11.05
仕事から帰ってきて、電気のボタンを押したら部屋は明るくなり、寒い冬であればエアコンのスイッチを押せば徐々に暖かくなってくる。
このように日本では、お金さえ払えば簡単に電気を使えますが、世界では電気の使えない国も少なからず存在します。
簡単に電気が使える生活をしていると段々と忘れてしまう電気のありがたみ。
今回のブログでは、電気の使えない国について書いていきましょう。
未電化の生活をしている人数は…
現在、電気のない生活をしている人の数は、世界で約10億人以上も居ると言われています。
日本の人口が、およそ1億2,600万人とのことなので、日本の人口の10倍近い数の人々が電気のない生活をしているということになるでしょう。
世界の人口はおよそ74億人ほど居るため、7〜8人に1人は電気のない生活をしていることになります。
主に、インドやパキスタンあたりが多く、人口の約20%ほどを占めているそうです。
日本に住んでいる我々には想像もできないのではないでしょうか?
世界の未電化。電気が使えない理由は?
世界の未電化ですが、約10億の人たちはなぜ電気を使えないのか気になりますよね。
ここでは、なぜ未電化になってしまうのか書いていきましょう。
国内の発電量が全く足りていない
実際、国によって発電された電気の量が、人口に比例して電気が足りてない場合があります。
そうなってしまうと、自然に電気が届かなくなり、電気が使えない地域や人々が出てきてしまうのです。
発電所や発電量を増やすことによって解決する問題ですが、発電所を作るためには莫大なお金が必要になってくるため、すぐに解決することができません。
送電線を作るのが大変
電気自体はあるけれど、送電線で電気を送ることが難しい場合もあります。
特に高い山や森に囲まれた場所では送電線を設置することが難しく、送電線を作るために時間とお金がかかってしまいますので、どうしても未電化になってしまう地域もあります。
他にも荒れている地域、ようは治安が悪い地域ですとどうしても安全上の理由で送電線の工事ができない場合もあります。
貧困地域や農村地域の問題
電気が通せない未電化地域の中には、発展途上国が多々含まれているのですが、その中でも所得が低い村や集落では、電気そのものを買うお金がありません。
送電線などの設備がないという理由ももちろんありますが、そもそもの問題で、所得の低い村や集落では、電気のない生活が当たり前になっています。
戦争中の地域や難民キャンプにいる人々
日本に住んでる人には想像すらつかないと思いますが、今でも世界には戦争を続けている国が少なからずあります。
そして、その地域から逃げ出した人々が暮らしている難民キャンプも含め、紛争地域や難民キャンプには電気がありません。
未電化の解決方法は?
それでは、世界の未電化を減らすにはどのような取り組みをすれば良いでしょうか?
実は、もう未電化地域に向けて色々な手法を考え、国連サミットは行動に移しているそうです。
例えば、送電線を必要としない自家発電の一つに「分散型オフグリッド発電」というものがありますが、こちらの発展形に「マイクログリッド」という電力供給手法があります。
このマイクログリッドというは、太陽光発電などに用いる分散型オフグリッド発電に蓄電池や変電所を設置した電力供給システムの一つで、村や町単位の独立した小規模系統のことを指します。
蓄電池や変電所を設置することによって、電力の安定供給や共有ができるだけではなく、
地震や台風などの災害にも強いメリットがあります。
例えば、アフリカ未電化地域のケニアでは、アメリカの金融機関の支援により、2011年からマイクログリッド設備が設置されております。
太陽光パネル自体に夜間供給と需要コントロールができる蓄電池を設置して、各住宅に電力消費量と料金がわかるメーターを取り付け、使った分だけプリペイド方式で支払う仕組みです。
更に、先進国でも台風や山火事が多い地域にディーゼルと再生可能エネルギーの協調運転をするマイクログリッドを採用することによって、天候の影響を受けやすい再生可能エネルギーをサポートする体制が整えられているそうです。
このような具合に、マイクログリッド化することにより充実した設備で利便性の高いサービスが可能、供給する側のリスクも少なくなります。
大手電気メーカーも…
大手電機メーカーのパナソニックでは、2013~2018年に「ソーラーランタン10万台プロジェクト」として、アフリカやアジア、中米の無電化地域に、約10万台以上のソーラーランタンを寄贈をしています。
ソーラーランタンとは名前の通り、太陽光で充電する手の平サイズのランタンです。
このソーラーランタンは、およそ20㎝四方ほどの付属のソーラーパネルに接続し、約6時間で充電が完了、充電後約6~90時間使える太陽光電気です。
ソーラーランタンは、金属製の取手がついており、天井からつるすことも可能な他に、壁にかけたり机の上に立てて使うことができます。
3段階の明るさで調整が可能、一番明るい状態にしておくことにより、部屋全体を照らしたりもできます。
太陽光なので、火事の心配や燃料の心配などいりません。
このように、企業からも未電化地域を減らす対策をしていることがわかりますね。
まとめ
家に帰ってきて、スイッチを押したら部屋の中が明るくなる環境に住んでいる我々には、あまりイメージもつかないかもしれませんが、世界には電気を使えずに生活している人々が少なくありません。
できる限り未電化を減らすよう、色々な対策を考えているプロジェクトも徐々に増えてきては居るものの、やはり完全に未電化をゼロにすることは不可能です。
なので、電気が簡単に使える我々は少しでも環境に感謝して、無駄な電気を使わずに節約できるよう心がけましょう。