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原油と電気の関係

2022.02.27

最近は落ち着きつつある電気代の高騰問題ですが、電気代が上がる理由の一つとして関係があるのが原油なのは皆さんはご存知でしょうか?

毎月の支払いが少しづつ変わる電気代
消費電力により電気代が変動するのは当たり前ですが、それ以外にも料金が上がる理由があります。

実は、発電によって使われる燃料の90%以上を輸入に頼る日本では、石油や石炭、天然ガスなどの国際価格が影響を与えているからです
そこで皆さんにも聞き覚えがある「燃料調整額」というものが関係しており、今回のブログでは原油と電気について書いていこうと思います。

燃料費調整制度とは

燃料調整制度とは、燃料の価格変動に伴って毎月の金額が変わる制度です。

電力会社の商品である電気代は、発電や送電にかかる様々なコストをもとに決められているのですが、電気代の改定自体は政府に届け出を出して許可を取らないといけないため、とても手間がかかってしまいます。

もちろん、その手続きは電気事業法で決められているため、勝手に変更することは禁止されています。
しかし発電に使われる燃料費はコストの約40%以上を占めているので、輸入燃料の国際価格の上下は電力会社にとって大きなダメージでもあり、電力の安定供給にも影響があります。

燃料費調整制度は基本的に、石油や石炭、液化天然ガスの輸入価格や為替の影響を電気代に反映させるものです。
なので、その反映させた燃料価格変動によって電気代も変わってきます。

燃料費調整額の計算方法とは

基本的に、電力会社には「基準燃料価格」と「基準単価」というものがあります。

「基準燃料価格」というものは、発電のためにかかってしまうコストの事を指し、「基準単価」は原材料のコストを計算するために使用するものです。

基準燃料価格自体が原料費を上回っていた場合、その差額を電気料金からマイナスとして、下回っていた場合はプラスにします。
しかし、燃料費調整額を出すためには実際にかかった基準単価の平均値である「平均燃料価格」を出さなければいけないので、その平均数値を基準燃料価格と比較することになります。

「基準燃料価格」:各電力会社で、燃料仕入れの価格の見込みで設定してます。
「基準単価」:平均燃料価格の実績が「1kl」あたり約1,000円ほど変動した場合の単価によって、電力会社が高圧契約や低圧契約ごとに設定します。
「平均燃料価格」:輸入統計を基に算出する、燃料輸入円建て価格の3ヶ月の平均値です。


電力会社によって、原油や石炭の使用割合は違うので、割合や熱量で換算係数を設定して平均燃料価格を出します。
電力会社によって異なるこの数値は、価格改定時に申請し、認可されれば適用となります。

「燃料費調整額」=(C平均燃料価格-A基礎燃料価格)×B単価÷1000

という計算になります。

調整される料金は、元々ある基準値のプラス50%までの上限が設けられています。
しかし、下限は設けられていないため、下げようと思えばいくらでも下げられます。
極端な話、0円にすることも可能ですが、0円にするような電力会社はありません。
基本的に、燃料調整額は3ヶ月毎の平均値が算出されるので、電気代に反映されるのは2〜3ヶ月後になります。

原油が高騰すると電気代も上がる

以上のことから、燃料費の調整によって電力会社の売上は大きく左右されます。
簡単にまとめると、「燃料の輸入価格が下がれば、電気料金も下がる」ということになります。
しかし、原油が高騰するということは、電気代が上がるだけじゃなく、他の物まで影響するということにもなります。

電気だけじゃない!?

実際に、原油が高騰することになれば電気代の他にも頭を抱えてしまう業種もあります。
実は、我々が毎日摂取している食事にも影響があるのです。
原油が高騰するということは、船の燃料代や魚や豚、牛などのエサの輸送費などが魚の価格に上乗せされる可能性が大いにあるのです。

また、野菜や果物もハウス栽培に必須な暖房設備である、重油ボイラーが打撃を受けます。
そのため、様々な野菜や果物に影響があるのです。
更に、一番わかりやすいのがガソリン代。

そんなガソリン代も原油が高騰したら上がるのは必須です。
車によく乗っている人ならわかりますが、ガソリン代の値上げは頭を抱えてしまいますよね。

新型コロナウイルスの影響によって原油が高騰している

原油を作るにしても運ぶにしても、多くの人手が必要になります。
しかし、現在新型コロナウイルスの影響によって、労働者不足が起きてしまい、原油の高騰が落ち着くまで当分かかると予想されています。

電気料金だけじゃなく、ガス料金や野菜などの値上がりに対して、我々も頭を悩ませてしまいますが、できる限り電気代やガス代などは安く済ませたいところ。
個人レベルでできる限りの節約をして、原油が値下がりするまで耐えるしかありません。

少しでも電気代を節約したい…

原油の高騰に関して、自分ひとりの力では抑えることはできませんが、電気代の節約に関しては誰でもできるので、少しでも電気代を下げれるように一度試してみてください。

ここでは簡単に誰でもできる電気の節約をご説明していきましょう。

・待機電力を減らす

電化製品などは電源に繋がっているだけでも電気が消費されています。

なので、長時間使わない電化製品は、電源やコンセントのスイッチをこまめに切って待機電力をカットすることが非常に大事。
こまめにスイッチを切る意識を持つようにすれば、自然と電気代の節約になります。

・季節ごとに家電の使い方を変える

4月〜6月、9月〜11月などの季節の変わり目は気温が安定していてあまり電気を使わない家庭も少なくありません。

しかし、7月〜8月の暑い時期や12月〜3月の寒い時期などはどうしても冷暖房器具を使わないと体調を崩してしまいます。
なので、使用する家電も時期ごとに変わるのは当然ですが、その時期に合わせた節約もあります。

夏であれば、カーテンなどで日差しをカットして、窓を開けたりうちわを使用して風通しを良くすれば電気をあまり使わなくて済みます。
特に、夜であれば、窓を開けているだけでもだいぶ涼しくなります。

冬は、エアコンやストーブなどを使って部屋を暖めると思いますが、使いすぎるとどうしても電気代が上がってしまいます。
なので、断熱カーテンをつけたり、暖房器具の配置を変えたりして効率よく部屋を暖かくするようにしてみてください。

まとめ

今回のブログでは、原油と電気の関係について書かせていただきました。

たまに、電気代が知らないうちに値上がりしてるのを見ると、「なんでだろう?」という気持ちになる方も少なくありませんが、このように原油の高騰によって電気が値上がりすることがわかれば、少しでも世の中の変動に気づいたり、興味をもつようなことがあるかもしれません。