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半導体不足の深刻化

2022.06.26

2020年以降、ずっと半導体不足が続いていることが世界中で問題となっています。

PCやゲーム機、ネットワーク機器など私達が普段から使用しているものに関係があり、特に自動車メーカーなどは大きな打撃となっています。

色々な産業において、半導体は絶対不可欠な部品なので半導体が不足することによって、業種・業態を問わず製造作業が行えない事態が発生している現状。

今回のブログでは、なぜ半導体不足が起きたのかを書いていきたいと思います。

半導体とは

半導体というのは、電気を通すことができる銅などの「導体」と、電気を通さない「絶縁体」が合わさった中間の物質のことを指します。
簡単に言うと、「普段は電気を通しませんが、条件を加えることによって電気を通すことができる物質」といったほうがわかりやすいかもしれません。

半導体にも種類がある

半導体自体は機能の集積度によって、数種類に分類されています。

基本的に「ディスクリート半導体」「IC(集積回路)」「LSI(大規模集積回路)」の3種類です。

こちらではそれぞれの種類について詳しく解説していきましょう。

「ディスクリート半導体」

「ディスクリート半導体」というのは、単一の機能を有している素子のことを言います。

半導体の中では、一番集積度が低い種類に分類されています。

ディスクリート半導体の代表的なものとして、皆さんも聞いたことのある「ダイオード」や「トランジスタ」などが一般的でしょう。

一方向に電流を流す機能を持っているのが「ダイオード」。
電流をコントロールする機能があるのが「トランジスタ」になります。

皆さんの身近でわかりやすいものと言えば、「スマートフォン」や「パソコン」などにディスクリート半導体が多数使われています。

IC(集積回路)

IC(集積回路)とは、「Integrated Circuit」を略した言葉のことです。

複数ある素子を1つに集積させたものをICと呼ぶのですが、わかりやすく説明するとトランジスタを複数組み合わせたり、ダイオードやトランジスタを多数組み合わせて構成したりしたものがICです。

ICの集積度によって、Small Scale Integration(SSI)、Middle Scale Integration(MSI)、Large Scale Integration(LSI)などに分類されています。

LSI(大規模集積回路)

大規模集積回路であるLSIは、「Large Scale Integration」を略した言葉ですが、ICの一つで、集積度が一番高まったものです。

簡単に説明すると、多くのトランジスタやダイオード、抵抗、コンデンサなどの電子部品を、一つの半導体チップに組み込んだICのことを指しますが、ICとほぼ同じ意味で用いられることも多いでしょう。

半導体の役割

それでは、半導体はどのような役割があるのでしょうか?

電気エネルギーを光に変換できる

半導体自体には、電気のエネルギーを光に変換するという役割があります。

電子が持つエネルギーが光になって放出するために必要な変換アイテムというイメージで良いでしょう。

例えて説明すると、LEDや有機EL、レーザーなどで主に使用されており、電子が持つエネルギーの大きさなどによって、放出される光の種類が変わります。

光エネルギーを電気に変換できる

半導体は電気エネルギーを光に変換すると前述しましたが、もちろん逆も可能です。
可視光や近赤外線などの光エネルギーを電気エネルギーに変換できます。

皆さんの周りでわかりやすいものと言えば、太陽電池などが挙げられるでしょう。

太陽電池は太陽光という光エネルギーを受信し、電気に変換して流すという仕組みになっています。

電気の流れを制御する

半導体には、電気の流れを自由に制御するという役割もあります。

「電気のオン/オフ」「電気の流れを一方通行にする」といったことが可能です。

「電気のオン/オフ」はトランジスタやインバーター、電気の流れを制御するのはダイオードやコンバーターで使われているため、高速で「オン/オフ」することでデジタル化を行う素子としても活用できます。

半導体は何に使われているの?

半導体と言っても、単体で販売していてすぐに買えるものではありません。
しかし、普段から私生活で使っている製品に半導体が使われているのですが、主に何に使われているのでしょうか?

【普段から使っているモノ】

・スマートフォン
・タブレット
・パソコン
・テレビ
・ゲーム機
・デジタルカメラ
・冷蔵庫
・洗濯機
・エアコン
・炊飯器
・照明器具
・給湯器
・自動車 etc…

このように、数多くの製品で半導体は使われており、今の豊かな生活に必要不可欠なものになっています。

半導体がなくなってしまうと、新しく電化製品を作ることができなくなってしまい、我々の生活は衰退していってしまうのでしょうか。

半導体不足になった原因

2020年の秋以降、半導体不足が続いています。

一体何が原因で半導体不足になってしまったのでしょうか。
ここでは、半導体不足になってしまった理由を書いていきましょう。

新型コロナウイルス感染拡大

皆さんもご存知、新型コロナウイルスによる影響。

2020年から新型コロナウイルス感染症の影響で外出制限がかかり、テレワークやリモート会議、リモート授業などの導入が増えました。

そのためパソコンや通信機器などの需要が急増したため、半導体を使用する機器の生産が増え、半導体不足に陥ったと言われています。

ウクライナ情勢

ウクライナ情勢が半導体不足の原因とも言われますが、実際は直接的なダメージはそこまでありません。

ロシアやウクライナでは希少金属の産地としても有名で、今後のロシアとウクライナ情勢によって供給停止が起こる可能性があります。

アメリカの禁輸措置

2020年12月に、アメリカが中国の大手半導体受託製造メーカーを貿易上の取引制限リストにいれたため、事実上の禁輸措置を行いました。

中国がアメリカの軍事リストの技術を盗む可能性があるため、それを防止するためだと言われています。

アメリカの企業は台湾の半導体製造メーカーに依頼するようになったのですが、生産が追いつかず、半導体不足の一因になってしまいました。

半導体不足はすぐには解消されない?

半導体不足の解消はいつされるのか?

実は半導体不足は当分解消されないと言われていますが、中には2022年中には安定するとも言われています。

しかしながら、半導体不足の解消には各工場の安定稼働が必要不可欠になります。

これからの世界情勢を追ってどうなるかを見届けましょう。