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光と昆虫の関係性

2022.06.05

皆さんは昆虫が光を好むことをご存知でしょうか?

よくカブトムシやクワガタを捕まえる人には、当たり前に知っている事かもしれませんが(カブトムシやクワガタを捕まえるときは光があると楽)、よく街中の自動販売機や電柱を見ると虫たちが集まっていますよね。

また、パチンコ店が潰れたことによって、近所に昆虫の飛来が多くなったことがあります。

パチンコ店が夜遅くまで営業していたため、近所の昆虫がパチンコ店の灯りに誘引されていたということになります。

このように、光と昆虫はとても関係性が高く、虫の行動を左右する大きな要因の一つといっても過言ではありません。

今回のブログでは、光と昆虫の関係性について書いていきましょう。

虫はなぜ光に寄ってくるのか

カブトムシやクワガタ、蛾やコガネムシなど、窓を開けると明るい室内に虫がたくさん飛んでくることがありますし、街灯や自動販売機の灯かりなどにも虫が集まってきますよね?

では、なぜ虫たちは光に寄ってくるのでしょうか?虫達が光に向かう習性を「走光性」というのですが、昼間と勘違いして活動をするからでしょうか?

実は、光に群がる虫は夕方や夜にかけて活動する虫たちが多く、灯りの周囲をぐるぐる回ったり、ぶつかったりします。

一説によると、灯り自体を黄色や白の花だと思って蜜を求めて飛んでくると言われていますが、人工の灯りを月と勘違いしている説が最も有力とされています。

夜行性の虫達の目は、あまり発達していないので月を頼りにして飛ぶ方向のバランスをとっていると考えられていますが、決して間違いではないかもしれません。

自然界の中では夜に明るい光を放つのは月ですし、月は地球からかなり離れているため虫たちがいくら動いてもその方向や高さは変わりません。

また、虫たちからして月を目印にして長距離を飛ぶことによって、生息領域を広げることにもなります。
ですので、月を目印にする習性が遺伝子に組み込まれている可能性があります。

ところが、現在我々が生きているこの街では、月よりも明るい電球が存在するので虫は月と勘違いしてしまうため、その周囲を回ったり近づいてぶつかったりするのではないでしょうか?

昆虫の目は悪い?

昆虫は目が良いの?悪いの?

結構小学生のときによく生物の授業で習ったりするかもしれませんが、実は昆虫の目というのは人間と見え方が違います。

簡単に言うと、「人間と見ているものが違う」のほうがわかりやすいかもしれません。

ほとんどの昆虫は複眼を持っていて、30000ものレンズがついています。

そして、昆虫達の動体視力は人間よりも遥かに優れています。
例えば、蛍光灯が1秒間に60回点滅しているのを人間は見ることができませんが、昆虫からすれば、240回も点滅していることがわかるくらいに動体視力が優れています。

昆虫は動きながら獲物を捕まえることが多いため、複眼で全体を見回すことができるようになっています。

このレンズのおかげで識別に優れ、人に見えない紫外線も見ることができますが、赤外線に近い色は識別することができません。

ですので、紫外線を発した電燈へ昆虫等が集まるのは、このためなのかもしれません。

目が悪いか悪くないのかで言えば、悪くはないでしょう。

光に反応してしまう昆虫の性質とは

基本的に、生物全体が外部からの刺激を受けることによって、方向性のある移動運動をする性質のことを「走性」と呼びます。

走性自体は生物に生まれつきあるもので、経験や思考に基づくものではないため、走性を生じさせる刺激に対していつも大体同じ反応になります。

走性の中で、光の刺激に反応するものを走光性と呼ぶのですが、昆虫自体の走光性には「屈曲走光性」「転向走光性」「目標走光性」「保留走光性」というものがあります。

屈曲走光性

屈曲走光性というのは、光を感じる眼がある頭部、体全体を上下左右に振りながら光の刺激の強さが等しくなる方向を探して進む走光性のことを指します。

転向走光性

転向走光性とは、左右対称についている眼を使うことによって、左右の光の刺激の強さを比較しながら、刺激の強さが等しくなる方向を探して進む走光性のことです。

目標走光性

こちらは単純な説明になりますが、目標走光性眼の網膜に光源の像が同じように結ぶように進む走光性のことを指します。

保留走光性

昆虫の眼にある網膜に結ぶ光源の像に対して、一定の角度で進む走光性。
 

基本的に昆虫の走光性自体は、昆虫の種類や幼虫か成虫かによって異なりますが、ここでは一般的な転向走光性と保留走光性について説明しようと思います。

転向走光性は2つの目が同じ明るさを感じる方向へ向かう性質ですが、昆虫の眼の片側から光を当てることによって、光を当てた側に向きを変えて、反対側の眼にも光が同じように当たる方向を探します。

光源自体が2つある場合は、2つの光源の中間の場所に向かってしまいます。

保留走光性の昆虫は、眼の網膜に結ぶ光源の像自体を頼りに進むため、眼が左右対称についている必要はありません。

眼の片側を覆ったとしても、転向走光性の昆虫のように光源をぐるぐると回ることもありません。

光源が2つある場合、どちらかの光源だけを頼りに進むのですが、目標走行性の昆虫が光源に対して直線的に進むのに対して、保留走光性の昆虫は光源に対して一定の角度を保ちながら進むのが特性です。

なので、電灯をぐるぐると回る蛾などの昆虫は保留走光性になります。

太古では、夜の光=月の光です。
月は非常に遠くにあるため、月からやってくる光が平行光線として届いているから真っ直ぐに飛ぶことができたんですね。

昆虫からすれば月の光=現代の電灯

太古から夜行性の昆虫は月を頼りに行動してきたため、飛んで火に入る夏の虫ではありませんが、もし走光性が昆虫の生存に対して害があるとすればその昆虫はもうすでに絶滅しております。

ですが、自然界に火がそこらへんにあるわけではありませんし、総じて考えれば走光性という性質は昆虫の生存を支えてきたのです。

わずかな光を使って生き延びてきた太古の昆虫の走光性が現代の昆虫にも脈々と受け継がれているため、電灯がある現代では昆虫が月の光と間違えてぐるぐる回ってしまうのです。

虫を嫌う人間は多いかもしれませんが、人間が作った光は今の昆虫からすれば迷惑なものなのかもしれませんね。