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エレキテルが多くの命を救った!?

2023.05.14

皆さんが考えるエレキテルというのはなんでしょうか?

どこかのインディーズバンド名にもありそうなエレキテルという単語ですが、エレキテルって実際どんなものでしょうか?

知っている人は知っているエレキテルですが、人の命を救うものという事実なのを知らない人は多くはありません。

今回はエレキテルについて書いていこうと思います。

エレキテルというのは

エレキテルと聞くと平賀源内のことを思い出す人も少なくありませんが、実物はどのようなものでしょうか。

エレキテルというのは摩擦を利用した静電気の発生装置です。

小さな木箱の中にあるガラス円筒を外壁にあるハンドルで回転させることによって、金箔との摩擦によって静電気が発生します。
その静電気が蓄電器に貯まり、この静電気を銅線によって外部に導き放電するという仕組みになっていました。

それがエレキテルというわけです。

平賀源内とは?

エレキテルの話をするにあたり、重要な「平賀源内」とは一体どんな人物なのでしょうか?

平賀源内とは江戸時代の中期ころに様々な分野でその才能を発揮した人物です。

発明家や画家、陶芸家など多くの顔を持っておりエレキテルの復元を成功したとても賢い人でしたが、奇天烈と周りに言われていました。

江戸時代から現代まで続いている土用丑の日(夏の土用の期間にある丑の日のことで、その日に鰻を食べること)を世に提案したのも平賀源内とも言われています。

ちなみに、現代でも使われている「万歩計」も平賀源内が日本で最初に発明しました。

元々平賀源内は、讃岐国寒川郡志度浦の白石家の三男として生まれます。

白石家は讃岐高松藩の足軽身分の家ですが、天文5年(1536年)11月に平賀玄信の代に甲斐の武田信虎という人物による侵攻を受けたため平賀は滅び、白石という姓に変わりました。
その後、あれよあれよと時代は進み、源内の代にて平賀に姓を改めました。

安永8年(1779年)夏頃に平賀源内はお酒を飲んで酔っ払っており、その勢いで大工の二人を殺傷したため投獄され、約一ヶ月後に破傷風で獄死したとのこと。

平賀源内の若い時代

源内は天才などと言われていましたが、10代〜20代はどのような人物だったのでしょうか?

源内は11歳で「お神酒天神」というお酒をそえると掛け軸の中の天神さまのお顔が赤く変わるというカラクリを作っており、彼の作品で唯一現存しているものです。

そんな源内の青年時代は、植物や鉱石に興味をもっておりあちらこちらで枝を切ったり、石を砕いたりして調査をしているという生活をしていました。

また源内は幼少期の頃より本草学を学んでいたのですが、その当時からただ単純に知識吸収するだけでなく、自分の頭の中で考えて知識をどのように活かすべきかを自然と考えていました。

その豊富な知識が高松藩で買われたことによって、薬草園のお世話を任されたと言われています。

他にも若い頃より、その観察眼は鋭いものだったことから父親の畑作業を見学しながら、気候の変化、土の特徴や原理を見て知識を身に着けていたとの話もあり、元々興味があることにひたすらだったことが伺えますね。

エレキテル=平賀源内?

エレキテル=平賀源内というイメージを持つ方もいますが、正確には「オランダから持ち込まれたエレキテルを平賀源内が復元した」という説明のほうが正しいです。

エレキテルというのは当初はオランダから伝わった摩擦起電機のことを指し、語源はオランダ語の「electriciteit(源内は「ゐれきせゑりていと」と記載している)」がなまったものと言われています。

この「electriciteit」は、イギリス王立医学学校の教授であるギルバートという人物がダイヤモンドやガラス、宝石などをこすって静電気を生み出すことを発見し、磁石の引力とは違う力「静電気」が働いていることを明確にしたことによって生み出された言葉です。

「electricity(電気)」はそこから派生した言葉でもあります。

エレキテルでの治療法

電気と医療というのは、現代の日本だけではなく世界的に見ても古来よりありました。

特に人体に電気が有効というのは、ヨーロッパの方で医療発達のため考えられていたようで、電気うなぎを頭痛などの治療に用いたという記録もあります。

医療機器において電気が最初に使用されたのは、18世紀以降と言われていてその後研究を重ねた結果今でも使われる心電図などが発明されました。

エレキテル自体は、皮下に電流を流して筋肉攣縮を誘起し得ることを発見し、診断する上でこの感傳電流を応用するようになったのですが、当時の技術では精度があまりにも低いため、一般的に普及していたわけではありません。

日本では、主に見世物としての活用がほとんどで、医療に使われることはあまりなかったそうです。

電気は人体にとって害ではない?

現代では電気を使った治療を日常的に使われていますが、なぜ電気が人体に良い影響をもたらすのでしょうか?

元々、電気治療というのは人体に備わっている電気的な性質をうまいこと活用し、外部からの電流によって痛みの感覚を和らげようとする治療方法です。

特に頭痛などは筋肉の緊張による血行不良が原因で体調が悪くなることが多く、肩こりや腰痛を電気の刺激で緩和し、血流を促進させ頭痛をなくすという治療法もあります。

そもそも、人間の身体には微量の電気が流れているため電気と人間は相性が良いのかもしれませんね。

エレキテルの復元から始まる現代日本

多くの命を作ったエレキテルは、直接的な部分だけではなく遠巻きにもたくさんの人間を救っています。

例えば電灯。

エレキテルの復元から始まった日本の電気の歴史ですが、現代でも使われている電灯は1882年に東京銀座に設置されました。

今まではガス燈や石油ランプなどがありましたが、それらよりも圧倒的に電灯のほうが明るく、夜道の犯罪防止にも役に立ったそうです。

このように、エレキテルから始まった日本の電気は多くの人に役立つものへと変わっていき、今では日常的に必要不可欠なものになりました。

電気はこれからの生活を支える大事なエネルギーとして、電力不足にならないよう少しでも節電を心がけましょう。