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電気の天敵!?電気を通さないもの

2024.02.11

いきなりですが、皆さんがイメージする電気を通さないものと言えば「ゴム」でしょうか?

電気を通さないものは、小学生の時に習った人が多いと思いますが覚えてない人も少なくありません。

今回のブログでは、「電気を通さないもの」について書いていこうと思います。

電気を通さない絶縁体

まず、基本的なことから説明しますと、電気を通さないもののことを「絶縁体(ぜつえんたい)」と呼びます。

そして、絶縁体とは真逆である電気を通すものは「伝導体(でんどうたい)」と呼び、両方の特徴を持つもののことを「半導体(はんどうたい)」と呼びます。

ここまでがブログをご覧いただくにあたって、たくさん登場してくる言葉なので知らなかった方は覚えて頂けると幸いです。

 絶縁体とは?

絶縁体は「電気を通さないもの」というのは先述しましたが、完全に通さないというわけではありません。

電気を通しにくい性質を持った物質のものも絶縁体に区分されます。

基本的に電気を通しやすいものに関しては、通電したものに触れると感電や痛みなどを感じたりしますが、絶縁体は安心してその通電部分に触れることが可能です。

その代表的なものと言えば、電気のコード。

電気コードはコンセントに差し込むことによって電気が通りますが、コード自体に絶縁体が覆っているため、感電することもなく触れる事ができます。

コードに触れても私たちが感電しないのは、コードが絶縁体により覆われているからです。

具体的な絶縁体の物質としてゴムやプラスチックがあり、それらは通電する製品に活用されています。

絶縁体が電気を通さないのはなぜ?

電気のライバルである絶縁体が存在するおかげで電気製品を問題なく使う事ができますが、その絶縁体がなぜ電気を通さないのかをここでは説明していきたいと思います。

そもそも、物質は原子というものによって成立していて、その原子は「原子核」と「電子」の二つがあるのですが、この電子が移動することによって電流が流れます。

この移動する自由電子(※後ほど解説)が多ければ多いほど電気を通し、少ないほど絶縁体として電気が通りにくい物質となるのですが、電気を通すためには高い電圧を流さなければ電子が動くことが不可能なため、絶縁体は電気に対する抵抗力がかなり高い物質になるのです。

伝導体に電気が流れる仕組み

絶縁体が電気を通さない理由はわかったと思いますが、逆に電導体が電気を流す仕組みについてここでは少し詳しく書いていきましょう。

実は伝導体の原子核と電子は絶縁体と違い、結合が弱いです。

結合が弱いため、原子核から離れることも多々あり、その自由に動けるようになる電子のことを先述した「自由電子」と呼びます。

その一方で、電子が抜けてしまった原子は「陽イオン」と呼ばれ、 導体に電圧をかけることにより原子から離れている自由電子が+電極へと引き寄せられます。

この電子の移動が、電気が流れる仕組みになるのですが、由電子が移動することによって、別の陽イオンとの衝突が発生、この衝突が電気抵抗の仕組みとなります。

電気が流れているものを触ると熱い時がありますが、その現象は衝突時に陽イオンが振動すると熱運動が起こり、伝導体に熱(ジュール熱)が発生します。

なお、電気の通しやすさの順は「銀」「銅」「金」「アルミニウム」「鉄」になっているのですが、ジュースなどのアルミ缶には表面に電気を通さない塗料が付着しているため、電気が通りません。

絶縁体の種類と材料

ここで本題の電気の天敵である、絶縁体の種類と材料を書いていきましょう。

  • ゴム
  • 純水(不純物が含まれていない水)
  • ビニール
  • プラスチック
  • ガラス

私たちの身近にある絶縁体として、わかりやすいのが輪ゴムやゴム手袋、コンセントケーブルの周りのビニールなどがあたります。

絶縁体を破壊!?

電気にとっての最大の天敵である絶縁体ですが、そんな絶縁体でもある一定以上の電圧が加わることによって絶縁体を破壊することが可能です。

このように絶縁体の絶縁性能が一定数以上の電圧が加わったり、絶縁体の消耗等で何らかの原因で破壊、絶縁状態が保てなくなることを絶縁破壊と呼びます。

絶縁破壊によって起きること

絶縁破壊が起きた場合、実際にどのような事が起きるのでしょうか?

ここでは、絶縁破壊が理由で起きてしまう事由について書いていきましょう。

漏電や感電の危険性

絶縁体に何か問題が起こった場合、回路の中に流れている電流が漏れ出し、感電や火災の危険性があります。

故障の原因

絶縁破壊が起きた場合、電気回路の中で発生している電気信号が正しく作動せず、機器の故障の原因になる可能性があります。

電流が上手く流れない場合、機器の部品や配線が破損する危険性もあります。

なお、機器が故障する場合は電波などにも影響があるため、電波障害が起きる可能性も少なくありません。

電力損失の増加

絶縁体に問題が生じると、電気回路の中で電流が漏れ出すことによって電力の損失が増大します。

実際に必要な電力よりも多くの電力が使われるので、電気代にも影響があります。

絶縁破壊が起きる原因

電圧が設内容以上に流れた場合に起きる絶縁破壊。

このような状況になってしまうのには理由があります。

ここでは絶縁破壊が起きてしまう理由について書いていこうと思います。

経年劣化における損傷

おそらく、絶縁破壊における一番の原因はこの経年劣化における損傷でしょう。

電気を使う機器は使用しているうちに必ず劣化していくため、絶縁抵抗が低くなり電流が漏れやすくなります。

温度や湿度における損傷

ゴムやプラスチックなどの絶縁材料は一定の温度で適切に機能しますが、高温の環境化では絶縁材料が劣化してしまうので、絶縁不良が発生する可能性があります。

他にも機器が屋外などに放置してある場合は雨などの理由で劣化してしまうこともあるため、絶縁破壊が起きることもあるでしょう。

設計ミス

そもそも設計者によるミスが原因で、設計上想定していた電圧よりも流れる電圧が大きなってしまい、絶縁体の限界を超えてしまうこともあります。

もしも、設計ミスにより何かしらの故障が起きた場合はすぐにメーカーに問い合わせしましょう。

まとめ

今回のブログでは電気が通らないものについて書かせていただいたのですが、水でも純水であれば電気を通さないのは驚きですよね。

電気は扱い方によって、感電や火災などの原因にもなりますが、一般家庭に使われている電化製品などの配線にはゴムやビニールが巻かれていますし、電圧も100Vほどしかないため、過剰に心配する必要はありません。

それでも、電気を扱わなければいけない時はゴム手袋などをして慎重に作業をしてくださいね。