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電車の電力と歴史

2023.08.20

通勤や通学、または少し遠いところに行く際に利用する電車。

そんな電車も電気を利用して動いています。

車やバイクはガソリンを燃料にして動かしていますが、なぜ電車は電気を利用しているのでしょうか?

今回のブログでは電車の歴史と電力について書いていきましょう。

電車ってどうやって動いているもの?

電車はガソリンも使用していないのに、あんなにでかいものをどのようにして動かしているのでしょうか?
普段は何も考えずに乗ることの多い電車ですが、ここでは電車の仕組みについて書いていきましょう。

電車は、皆さんも見たことのあると思いますが、線路の上に設置してある電車線という電線から電気をとり入れながら走っています。

そのため、自動車のようにガソリンを補充しなくても長い距離を走ることができるのが特徴。

鉄道会社の専用の変電所では、電力会社の発電所から送られてくる強い電気を使いやすい電気に変えながら、電車線や駅、信号機などに送っています。

電車の歴史

そんな皆さんが使っている電車にも歴史はあります。

元々、鉄道が生まれたのは19世紀のイギリスが最初なのですが、18世紀から始まった産業革命時代に原点があります。

この産業革命によって、色々なものが大量生産可能になったことで、物資や製品を大量かつスムーズに輸送する必要が出てきました。

そのために、物を大量に運べる蒸気機関車、いわゆる鉄道が必要不可欠となったのです。

1802年にイギリス人の「リチャード・トレビシック」という人が発明した世界で最初の蒸気機関車が、1804年にウェールズで鉄鉱石と乗客の輸送に使われました。

当時は鉄道を走らせるレールがとても脆く、故障も多々あったそうです。

動力もボイラーで発生した蒸気の圧力でシリンダーを往復させることによって、クランク機構によって動輪を回転させて走行します。

その後、「ジョージ・スチーブンソン」という人により改良された蒸気機関車「ロコモーション号」が、1825年に乗客を乗せて35台の貨物車を引き、約17キロメートルの区間を時速約18キロメートルで走行することに成功。

これが、世界で初めて乗客を乗せた蒸気機関車となりました。

その後に続いて1829年に作られた「ロケット号」は時速40キロメートルを記録し、1830年には、リバプールからマンチェスター間で運用されるようになったのです。

それからの40年間、イギリスでは鉄道の建設ラッシュが続いたため、一度に多くの人が、遠くへ行ける現代に近い世界が実現しました。

この鉄道ができるまで旅行は非常に高価で、金持ちの娯楽と言われていましたが、この鉄道の普及により一般の人でも気軽に旅行に行くことができるようになったのです。

ここから海外の鉄道文化は広がってきたのですが、日本に鉄道技術が入ってきたのは1853年の幕末になります。

長崎に来航した船にロシアの蒸気機関車の模型が乗せてあり、それを見た日本人が驚き、その技術に感銘を受け日本にも取り入れる流れになりました。

その後、1872年には新橋から横浜間の約29キロメートルに日本初の鉄道が開通したのが日本初の鉄道と言っても過言ではないでしょう。

その後、日本での鉄道文化が広がり、1889年に新橋から神戸の間に東海道本線が開通。
元々、鉄道が普及するまでは、江戸から京都まで約2週間近くかかっていたのがたった1 日で行けるようになったため、旅行だけではなく、日本の物流もスムーズになったそうです。

日本での鉄道誕生はイギリスやアメリカに比べて約40年ほど遅くなりましたが、政府からの後押しもあり、電気を利用した鉄道は欧米と同じ時期に導入されました。

明治末にあった日露戦争の後には、日本の電気事業の進歩を背景に、鉄道も発展を遂げました。

その結果、元々高価であったのにも関わらず。安価な旅客貨物の大量輸送や、遠方地からの労働者雇用などが実現。

明治から昭和、平成にかけて鉄道も進化し、今では私たちの身近な存在にまでなりました。

電車の電気代は高額!?

たくさんの荷物や人を毎日乗せて走る電車…どのくらいの電力を使っているか気になりませんか?

実は(多分見ている人もわかると思いますが)鉄道会社が電車の運転に使う電力はかなりの量で、電気代も高額です。

大手鉄道会社の電車の年間電力消費量は約27億kWhと言われており、およそ389億ほどかかっているとのことです。
1日当たり約1200万円ほど支払っているので、相当な額ですね。

一般家庭の電力消費量は1日あたり15kWh程度と言われているため、ものすごい差があると思われますが、一般家庭の1日の使用電力を電車に使わせるとしたら、一車両大体5kmほどは走らせることができます。

ガソリン代の方が安いんじゃないの?

ガソリン代と電気代。

実際はどちらの方がお得なのか計算したところ、関東大手私鉄の初乗り運賃(3km未満から6km未満)は124~165円(大人、ICカード)ですから、1kmだけ走るとすれば、1両に大人の客をひとり乗せるだけで電気代を回収できる計算になります。

逆にガソリン価格を1リットル145円とした場合、1リットルで15km走れる普通乗用車を使うとすれば、1km走るのに約9.7円かかります。

金額だけをみれば電車の電気代より安いですが、電車1両で運べる人数は所定でも100人を軽く超えますので、1人あたりの計算だと電車の電気代のほうが圧倒的に安いといえます。

電気の場合は電気代だけではなく、車両や線路のメンテナンス費用もかかりますし、電車は終電が終わった後頻繁に点検など行っているため、全体の経費はもっと高くなります。

しかし、今は技術の進化に伴い、電気を効率よく使えるモーターや制御装置が開発されていますし、鉄より軽いアルミなどを使った車体を採用することで少ない電力でも走れるような電車も出てきました。

今後も、少ない電力で走らせることが可能な電車もたくさん出てくると思うので、将来的には電力消費量が減るかもしれません。

まとめ

今回は電車の歴史や電力を主に書きましたがいかがでしたでしょうか?

昔の電車…いわゆる鉄道の動力が石炭の時代から電気で動くようになって何年も経ちましたが、その進化のおかげで安価に、そして気軽に皆さんも乗れるようになったのは嬉しいことですよね。

今後も鉄道の進化は止まりません。

いつかは、太陽光の力で走る鉄道もできるかもしれないので、その時を楽しみにして生活を送りたいですね。