庭じまいとは、手入れが負担になってきた庭を、今の暮らしに合う管理しやすい状態へ整え直すことです。放置した庭は、身体への負担だけでなく、近隣トラブルや防犯・防災面の不安、資産価値の低下にもつながりかねません。今回は、庭じまいの意味やメリット、具体的な作業内容、費用相場、業者選びのポイントについて解説します。
目次
庭じまいとは

庭じまいとは、手入れが難しくなった庭を、現在の生活スタイルに合った形へと整え直す取り組みです。庭木・草花・遊具・庭石・池などを撤去して更地にしたり、日々の手間を最小限に抑えられるよう庭をシンプルな状態に簡素化したりすることを指します。「庭の終活」とも呼ばれ、老後の生活を見据えた選択として近年注目されています。
庭じまいをするメリット
庭じまいには、身体的な負担を軽くするだけでなく、安全面や資産面にも関わる幅広いメリットがあります。代表的な4つのポイントをご紹介します。
重労働からの解放
庭じまいの最も大きなメリットのひとつが、日々の庭仕事から解放されることです。草取りや落ち葉掃除、木の剪定といった作業は、繰り返しかがんだり腕を高く上げたりと、膝・腰・肩への負担が少なくありません。特に夏場の草むしりは、熱中症のリスクも伴います。
庭じまいをきっかけに、こうした重労働から完全に解放されると、日々の暮らしはずいぶん楽になります。また、庭じまいは「庭をすべて更地にする」ことだけを指すわけではありません。植栽や土の部分を必要最小限に整え、無理なく管理できる範囲に調整するという方向性も、庭じまいの立派な選択肢のひとつです。
近隣トラブルの防止
庭を放置していると、知らないうちに近隣との関係に影響が出ることがあります。庭木の枝が隣の敷地へ伸びたり、落ち葉で雨樋を詰まらせたりといったトラブルは、日常的に起こりやすい問題です。また、管理されていない木は台風や強風で倒れる危険性もあり、近隣に被害を及ぼすリスクも考えられます。
庭じまいによって管理しきれない庭木を整理しておけば、こうしたトラブルをあらかじめ防げます。
防犯・衛生
手入れが行き届かず荒れた庭は、害虫が発生しやすい環境でもあります。雑草が茂り、使われていない庭池などに水が溜まると、蚊やハチ、毒を持つ毛虫などが大量に発生し、被害が近隣にまで広がることがあります。
また、草木が生い茂って死角が増えると、外から見通しにくくなるため、不審者が侵入しやすい環境を招く一因にもなります。庭じまいで不要なものを整理し、見通しのよいすっきりとした状態を保つことが、防犯・衛生面でのリスク低減につながります。
資産価値の保全
手入れの行き届いた外構は、物件全体の印象を高め、資産価値の維持にも直結します。逆に、荒れた庭を放置していると建物のツタや枝による劣化が進み、日当たりや風通しが悪くなることで建物の寿命が縮まるおそれもあります。
将来的に売却や相続を見据えているなら、早めに庭じまいに着手しておくことが賢明です。木や雑草が成長する前に対処すれば、撤去作業の規模が小さく済み、費用面の負担も抑えられます。
いずれ庭じまいを考えているなら、タイミングを先延ばしにするより、早めに動いた方がトータルで見てメリットが大きくなります。
庭じまいの具体的な作業内容

庭じまいでは、庭の状況に応じてさまざまな作業が発生します。代表的な3つの作業内容について解説します。
庭木の伐採
庭じまいの中心となる作業が、庭木の伐採と伐根です。伐採とは庭木を根元付近から切り倒して切り株の状態にする作業を指し、伐根とは切り株の下に残った根を掘り起こして取り除く作業を指します。
伐採だけを行った場合、切り株が残るため見た目が悪くなるだけでなく、害虫の発生源になることがあります。また、将来的に駐車スペースや花壇として土地を活用したい場合は、根が邪魔になります。そのため、庭じまいでは土地の活用方法も見据えた上で、伐根まで行うケースが一般的です。
大きな庭木や巨木の伐採には、クレーン車などの特殊な重機や高度な技術が必要です。特に建物や道路に近い場所に生えている木は、枝や幹が周囲に落ちないよう慎重に作業を進める必要があります。無理に自力で行うと、建物や近隣の車を傷つけるなど思わぬ事故につながるおそれがあるため、専門業者への依頼が不可欠です。
庭石などの撤去
庭石や灯篭、つくばいといった重量物の撤去も、庭じまいでよく発生する作業のひとつです。庭石は数百kgに及ぶものもあり、クレーン車や重機を使わなければ動かすことができないケースも少なくありません。運び出しのルートや搬出距離によっては、追加の費用が生じることもあります。
庭石の撤去は費用が高額になりやすいため、動線の妨げにならない場所であればそのまま残しておくことを選ぶ方も多いようです。庭じまいを検討する際は、撤去するかどうかを事前に業者と相談し、費用も含めて判断するとよいでしょう。
庭石以外にも、使わなくなった遊具・物置・プランターなど、さまざまな不用品が庭に残っていることがあります。これらも庭じまいのタイミングでまとめて処分しておくと、その後の管理がぐっと楽になります。
庭池の埋め立て
かつて設けた庭池も、管理ができなくなった場合は埋め立てが必要になります。放置された庭池は水が腐りやすく、蚊などの害虫が発生する温床になるため、早めに対処することが大切です。
作業の流れは、まず池の水を抜いた後、池本体のコンクリートを解体するハツリ作業を行い、ろ過設備なども撤去します。その後、廃材を搬出してから土を入れて埋め戻し、地面を均一にならして仕上げます。
一見シンプルな工程に見えますが、埋め戻し後の地盤が均一に固まっていないと、地面が沈下して危険な状態を招くことがあります。コンクリートの解体や地盤の均し作業には専門的な技術と機材が必要なため、庭池の埋め立ては必ず専門業者に依頼するようにしましょう。
庭じまいにかかる費用相場

庭じまいの費用は、庭の広さや庭木・庭石・庭池といった造作物の有無、また庭じまい後にどのような状態にするかによって大きく変わります。
目安として、軽作業で完了する小規模な庭であれば10万円~30万円程度、一般的な一戸建ての庭の場合は30万円~50万円程度、広い庭で伐採・撤去・舗装など作業が多岐にわたる場合は50万円~300万円程度かかることがあります。
重機が必要になる大きな庭木や庭石の撤去、土間コンクリートの施工などが加わると、費用はさらに高くなる場合もあります。
費用の透明性や施工品質を見極めるためにも、複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく作業内容や使用する素材もしっかり比較した上で依頼先を選ぶことをおすすめします。
庭じまいを依頼できる業者
庭じまいを進めるにあたって、どの業者に依頼すべきか迷う方も多いでしょう。業者の種類と選び方のポイントについて解説します。
業者の種類は主に3つ
庭じまいを依頼できる業者は、主に「解体業者」「造園業者」「外構専門業者」の3種類です。
解体業者は庭石や灯篭、倉庫・井戸などの重量物の撤去を得意とします。造園業者は庭木の伐採・伐根や植栽の手入れに精通しており、樹木まわりの作業が中心となります。外構専門業者は伐採・撤去から防草対策・舗装・駐車場化まで一括で対応できるのが強みです。
庭じまいは庭木の処分、庭石の撤去、雑草対策、不要物の処分など、複数の作業が組み合わさることがほとんどです。作業の種類ごとに異なる業者へ個別に依頼すると、連絡・調整の手間が増える上、費用も割高になりやすくなります。
庭じまいを総合的に任せたい場合や、更地にした後の土地活用まで見据えているなら、ワンストップで対応できる外構専門業者への依頼が効率的です。
業者を選ぶポイント
庭じまいの依頼先を選ぶ際は、いくつかの点を確認しておくことが大切です。
まず確認したいのが施工実績の豊富さです。庭じまいは現地の状況によって作業内容が大きく変わります。多様な事例を手がけてきた業者であれば、想定外の状況にも柔軟に対応してもらえます。
次に、見積もりの明確さも重要なポイントです。「一式」でまとめた曖昧な見積もりではなく、作業内容ごとに費用が明記されているか、また重機使用時など追加費用が生じるケースについても事前に説明がある業者を選びましょう。
さらに、更地にした後の管理についても提案してくれるかどうかを確認してください。庭じまいの目的はただ撤去することではなく、その後の管理を楽にすることです。防草シートと砂利の組み合わせ、コンクリート舗装、人工芝など、生活スタイルに合ったプランを具体的に提案してくれる業者であれば、庭じまい後も安心です。
まとめ
庭じまいは、庭の管理負担を減らし、安全性や住まいの価値を守るための有効な選択です。伐採や撤去、埋め立てなど作業内容は幅広く、庭の状況によって費用も大きく変わるため、信頼できる業者に相談しながら進めることが大切です。複数社の見積もりを比較し、自分たちの暮らしに合った無理のない庭づくりを進めていきましょう。



