何かと大変なことが多い引越しは、犬にとっても大きなストレスがかかる出来事です。「何とかストレスを減らしてあげられないかな？」と思う方も多いでしょう。
今回は、引越しによって犬が感じるストレスを軽減する方法や移動時の注意点、引越し後に問題が起きたときの対処法などを紹介します。
目次
引越しで犬がストレスを感じるのはなぜ？
「引越しすると犬にストレスがかかる」ということは何となくわかっていても、なぜストレスがかかってしまうのか、明確な理由までは把握できていない方も多いのではないでしょうか。そこで、引越しによって犬がストレスを感じる主な理由を解説します。
不安を感じるため
犬が引越しによってストレスを感じる大きな原因のひとつが「不安」です。犬は人間の言葉がわかりません。
そのため、なぜ荷物を移動させているのか、なぜ知らない人が家に入ってくるのか、なぜキャリーケースやケージに入れられたのか、どこに移動しているのか、何もわからないのです。
さらに新居に移動後は、犬にとってまったく馴染みのない環境に置かれます。飼い主はいるものの、家の中の様子も周囲のニオイや景色も違っていて、いつものお散歩コースもありません。
よくわからないまま自分の慣れ親しんだ環境が変わってしまうため、大きな不安を感じてストレスが溜まってしまいます。
飼い主の様子がいつもと異なるため
引越しのときは、荷造りや引越し業者とのやり取り、近所の人への挨拶回りなどやるべきことが多くバタバタするでしょう。
何らかのトラブルが発生してイライラしたり、疲れが溜まって体調を崩してしまったりすることもあるかもしれません。この「いつもとは違う飼い主」も、犬にとってストレスになります。
引越し前に犬のストレスを最小限にする方法
引越しの際には、旧居から新居までの移動でも犬にストレスがかかります。移動のストレスを軽減するには、移動時に使用するケージやキャリーケースに慣れさせておくことが重要です。
普段から部屋にケージやキャリーケースを出しておき、遊ぶ場所や眠る場所として自由に使えるようにしておきましょう。
すると、ケージやキャリーケースが犬にとって安心して落ち着ける場所になるため、移動時のストレスを和らげるアイテムとして役立ちます。
新居に到着して周囲の環境が大きく変わってしまったときも、自分のニオイがついた今まで通りのケージやキャリーケースがあることで不安が軽減されるでしょう。
また、長時間移動になる場合は、乗り物に慣れさせておくことも大切です。これまで車に乗る機会が少なかった犬が急に長時間車に乗せられると、大きなストレスを感じます。定期的に車に乗せ、少しずつ移動時間を長くするのが効果的です。
どうしても乗り物酔いしてしまうようなら、獣医師に相談して犬用の酔い止めを処方してもらうと良いでしょう。
なお、飛行機での移動は飼い主から離れる時間が長く、犬により大きなストレスを与える可能性があります。できるだけ車で飼い主と一緒に移動するのがおすすめです。
引越し当日に犬と移動する際の注意点
先述の通り、旧居から新居までの移動は犬に大きなストレスがかかりやすいため、事前準備が欠かせません。また、移動中にも意識したいことが2つあります。
なるべくたくさん犬と触れ合う
車で移動するときは、できるだけ犬と触れ合ったり、声かけしたりしましょう。車でのお出かけに慣れている犬ならまだ良いのですが、慣れていない犬は大きな不安を感じます。
ストレスを減らすためには、「大丈夫」と優しく声をかけたり、体をなでてあげたりしましょう。飼い主がリラックスしていると犬も落ち着くので、ゆったりした雰囲気をつくることが大切です。
犬が気に入っているおもちゃや毛布などを、ケージやキャリーケースに入れておくのも効果的です。
こまめに休憩をとる
1～2時間に1回を目安に、こまめに休憩をとることも重要です。車移動が苦手な犬の場合は、30分に1回を目安に様子を見つつ、必要に応じて休憩を入れましょう。
定期的に車から出してあげることで、犬もリフレッシュできます。事前に新居までのルート上に、公園やドッグランなどの犬が楽しめる場所がないかを調べておくと、休憩場所に困らずに済むでしょう。
頻繁にあくびをする、いつもよりよだれが多い、震えているなどの場合は車酔いの初期症状の可能性が高いので、早めに休憩をとってあげてください。
また、車内の空気がこもると、嗅覚の良い犬はストレスを感じやすくなります。休憩に合わせてドアや窓を開け、車内の空気を入れ替えましょう。移動中も、常に少しだけ窓を開けておくと、より効果的です。
犬が欲しがるようなら、水やおやつを与えてもかまいません。ただし、車に乗る直前にしっかりと食事を与えると、車の振動で吐いてしまう場合があります。かといって、空腹すぎるのも良くないので、車に乗る3～4時間くらい前に軽く食べさせておきましょう。
引越し後に見られる犬のストレスへの対処法
いろいろと対策しても、引越しのストレスによって犬が体調を崩したり、問題行動を起こしたりするようになる場合があります。このようなときは、どう対処したら良いのでしょうか。ここでは、引越し後によくある犬のストレスサインと対処法を3つ紹介します。
夜に眠らなくなった
新居で犬が夜眠らなくなるのは、慣れない環境に不安や恐怖心を覚えているためです。慣れ親しんだ旧居とは違って安全が確認できていないため、ちょっとしたことで警戒してしまい、なかなか眠れなくなったり夜鳴きするようになったりします。
夜はしっかりとカーテンを閉めて外の様子が見えないようにする、周囲の音が入りにくい静かな場所を用意するなどしてあげましょう。
旧居で使っていたケージやキャリーケース、毛布、おもちゃなどを置き、新居が安心できる場所であることが伝わるようにすることも大切です。飼い主がいると安心するので、一緒に寝るのも良いでしょう。
粗相を繰り返すようになった
新たな環境に緊張したり、トイレの場所がわからなくなったりして、粗相が増えるケースもあります。この場合は、夜眠れなくなったときと同じく新居が安心できる場所であることを伝えるとともに、改めてトイレトレーニングを行うのが効果的です。
旧居でトイレを置いていた場所と似たような場所や雰囲気のところに、新たなトイレを設置するのも良いでしょう。トイレトレーなどは、旧居で使っていたものをそのまま使うのがおすすめです。自分のニオイがついているので安心しやすくなります。
なかなかトイレをしない場合も同じように対応すれば、徐々にこれまで通りにトイレができるようになるはずです。
どうしてもトイレの問題が解決しないときや、下痢をしている場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
無駄吠えが増えた
新たな環境への不安や恐怖心から、無駄吠えが増える犬もいます。そのまま放置すると犬自身に負担がかかるだけでなく、飼い主もストレスが溜まったり、ご近所トラブルが発生したりするかもしれません。
このようなときは、過剰に反応したり叱ったりせず、どのようなときに吠えているのかを観察することが大切です。窓に映る影におびえているようならカーテンを閉める、音が気になるようなら静かな環境をつくるなど、原因に応じた対策を考えましょう。
同時に、落ち着いて静かに過ごしているときに褒めるなどすると、少しずつ無駄吠えが減ってきます。
まとめ
環境が大きく変わる引越しは、人間はもちろん犬にとっても大きなストレスになることがあります。引越し前から準備を始め、できるだけストレスを軽減できるよう配慮してあげましょう。
犬を飼っていると、24時間エアコンをつけたままで過ごすことが多く、電気代が気になる方もいるのではないでしょうか。そのようなときは、引越しに合わせて電力会社を見直すのがおすすめです。
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